ロシア語試訳3:ソログープ「腕白な子」


 なんだかんだで三回目。
 今回は日本語翻訳の存在しない«Заплатки»を。原題は「継ぎ当て」くらいの意味のようだが、内容を鑑みて「腕白な子」に変更してみた。


作品の出展は以下:
«Собрание сочинений в восьми томах  ТОМ 2. МЕЛКИЙ БЕС»収録、«Заклятие стен»Сказочки項目内«Заплатки»
 БИБЛИОТЕКА РУССКОЙ КЛАССИКИサイト内Федор Кузьмич Сологубのページより)


腕白な子


 ワーシャが白樺に登ったところ、ジャケットが破けてしまいました。
 ママがジャケットに継ぎを当ててくれました。そしてワーシャに言いました。
 「腕白な子はいつだって継ぎと一緒に歩いているわね」。
 夕方、おじさんがやってきました。おじさんは眼鏡を掛けています。
 ワーシャはおじさんを見ると、こう言いました。
 「ママ、ママったら! おじさんこそ、腕白っ子だよ。だっておじさんの目には継ぎが当てられているもの。」





Заплатки


Лазал Вася на березу, разорвал курточку.
Мама нашила на курточку заплатки, и сказала Васе:
— Шалуны всегда с заплатками ходят.
Пришел вечером дядя. Он был в очках.
Поглядел на него Вася, да и говорит:
— Мама, а мама! Дядя-то у нас шалун: у него на глазах заплатки





 「ひ弱な少年」に続いての、白樺ご登場回。
 白樺以外の木が登場した記憶がないくらいの勢いなのだが、ロシアには白樺しか生えていないわけじゃあるまいに。何故にこんなに大人気?


 ちなみに、ソログープには白樺をヒロイン(?)とする少年と白樺の恋話みたいな短編もあったりする。
 私のメモによると原題は"Белая березка"……あれ、березкаって何だこの語尾、ってまぁ今はイイや、ええっと直訳すると「白い白樺」なんて意味ですかね。

 これには「白樺」と題する邦訳も存在しているものの、ちょっと年代ものすぎたせいか、読んだけれどイマイチ意味が分からなかったよ……。


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