気が付いたら一周年だった




 どうも17日が最初の記事を書いた日のようです。そんな訳で、1年と12日経ちました。
 三日坊主に対して「三日坊主って偉いよね……、だってとりあえずは一日以上続けたんでしょ?」と宣う私にしては驚異的な記録でございます。

 ただ最近めっきりパソコンを立ち上げる習慣を失ってしまいまして、ブログの更新が滞り気味でございます。まぁそれ以外にも、睡眠時間を削りまくっていたら慢性的な体調不良になった(そもそも 最近が健康すぎただけとも言える)とか、勉強のスタンスが変わってきたとか、理由は他にもあるのですが。
 とりあえずbloggerの更新アプリで良いのがあったら誰か教えてください。パソコンは立ち上げなくても、スマホなら毎日触っているわけですし。ちなみに私はiPhoneユーザーです。



 1年と12日経ったことに気が付いたついでに、今までに出会ったテキストその他を振り返ってみることにします。
 文法事項には興味がそそられないので、実際にロシア語の本を読みながら疑問を感じる度に調べるのが、私の今までの基本スタイルです。
 尚、以降は無駄に長いのでお気を付けください。
 ちなみに、並びは私の中での重要度順。



1) 『岩波ロシア語辞典』

岩波 ロシア語辞典
岩波 ロシア語辞典和久利 誓一

岩波書店 1992-06-26
売り上げランキング : 431555


Amazonで詳しく見る by G-Tools

 いつも一緒(ウソです)な私のお友達、岩波ロシア語辞典。
 世代的には電子書籍の方に靡いても可笑しくないのですが、私個人は昔から紙派でございます。
 飼い猫に囓られて一部のページに穴が空いたのと、うっかりカレーの汁を飛ばしてしまった以外は、特にダメージもなく一年の使用に耐えてくれました。
 まぁ一年ごときでへたってもらっては困るのですが。

 廃語までちゃんと載せてくれるそのポリシーは、百年前の小説読みたさにロシア語を始めた私には有り難い限り。
 ただ欠点を挙げるならば、古い。どうしようもなく、古い。「その日本語、息してる?」と思わされることが、たまに。新版の予定はないんですかね?
 古いのだから当然だが、新語には対応していない。ネット上の記事などを読む時には、これがたまに致命的。新版の予定はないんですかね?

 加えてもう一つ挙げると、動詞の見出しがたまに不完了体なのが気になる。基本的に動詞は完了体が見出しなのだが、時折不完了体なのはどうしてなのだろう。
 完了体が滅多に使われない場合にそうなるのだろうか。よく分からない。



2) 『NHK新ロシア語入門』

NHK新ロシア語入門 (CDブック)
NHK新ロシア語入門 (CDブック)佐藤 純一

日本放送出版協会 2001-03
売り上げランキング : 13236


Amazonで詳しく見る by G-Tools

 私のお友達その2。
 一年の間に表紙に謎の茶色い染みを付けてしまった。コーヒーにしては色が薄いし、特に香りもしないしで、その正体は謎のまま。普段どんな状態で勉強しているんだ、って話ではありますが。

 既に一年間使っている割に、ページはなかなか進んでいなかったりする一冊。
至れり尽くせりの最近のテキストに慣れてしまった身としては、昔ながらのこの本は正直ハードルが高い。独りぼっち学習では挫折必至なように思える。
 それでもこのテキストがお気に入りなのは、文法事項がだいたい載っているから。
 「そんなの当たり前じゃん」と思われるかもしれないが、今流行りの至れり尽くせり系のテキストだと基本を懇切丁寧に解説するだけで手一杯で、ちょっと突っ込んだ文法事項になるとその存在ごと抹消されていたりするのです。

 実際に文章を読んでいて「何だろう、この文法?」と思った時に、それなりに調べやすい目次もさることながら、このテキストの白眉は、巻末に付けられた名詞・形容詞・代名詞の格変化一覧。動詞の活用表一覧も付いている。
 特にテキストではあまり取り上げてもらえない中性名詞や複数形の格変化の一覧も掲載されており、お世話になりっぱなしです。そろそろ覚えろ、って話なのだが。
 白水社の『パスポート初級露和辞典』にも格変化表は付いているものの、各所に散らばっていて妙に使いにくい。次の版では一箇所にまとめて貰えないだろうか。

 ただこの『NHK新ロシア語入門』に欲を言うと、形容詞・名詞の格活用表に古い用法も載せておいて欲しい。現代ロシア語ではもはや正式に使われてはいないけれど、雅語として時折登場しますし、是非。
 更に言うと呼称についても少しくらい触れて欲しいな、と。

 上の二点は私の趣味の問題なのでどうでも良い話だが、このテキストでは「-ся動詞のся部分は変化しない」と書かれているのは謎。
 実際は女性形過去などで母音が前に来ると平気でсьに変化しているような。
 ついでに言うと、ロシア語の語順が英語とは比較にならないほどに自由であることも、もうちょっと強調しておいて頂きたい。
 日本語も比較的語順が自由な言語ではあるが、それ故に英語を学ぶ際には語順がほぼ固定されていることを叩き込まれることとなり、結果として「横文字言語は全部、語順が決まっているんだ」と思い込むこととなったのは私だけではないと思うので。



3) Anki

 

 暗記用ソフト。上のリンクはiOS用アプリ。
 暗記に最適な頻度で問題を出してくれる。が、問題文自体は自分で作るか、共有単語帳からダウンロードして手に入れる。

 「暗記は面白くないから、もういきなり実地訓練する」と言うのが私のスタンスだったものの、最近ちょっと気が変わり、真面目に細かい単語を覚えることにした。
 iPhoneやAndroidにソフトを入れておくと、「今日はパソコン立ち上げてないからサボり」的な言い訳が不可能になり、どうしたってやらなくちゃならなくなるのでオススメ。
 パソコンやスマホなど複数デバイスで使う場合にも、インターネットに繋がっていれば同期出来るので問題はない。



4) Glosbe



 『岩波ロシア語辞典』と『NHK新ロシア語入門』の足りない部分を補ってくれるサイト。多くの単語に格変化表・活用表が載っているのが強み。無料。露和・和露どちらも使える。
 『NHK新ロシア語入門』の巻末にも載っていない不規則変化をする名詞や、比較級・最上級を調べたり、動詞の命令形に疑問を抱いた時などに威力を発揮する。
 また『岩波ロシア語辞典』に対してこちらは新語に強い。
 インターネット上から収集した例文を列挙してくれるのも、便利。

 ただ大文字と小文字を区別するシステム故に、最初の文字がデフォルトで大文字になるiPhoneからの露単語入力には注意が必要。
 また無料であるが故か、全体的に信頼性は心許ない。他の信頼出来る辞典などで裏付けを得るのが得策。



5) 『パスポート初級露和辞典』

パスポート初級露和辞典
パスポート初級露和辞典米重 文樹

白水社 1994-03
売り上げランキング : 22027


Amazonで詳しく見る by G-Tools

 入門用の辞書としては満点に近い。上にも書いたが、格変化表は一箇所にまとめて欲しい。
 巻末の和露辞典が露作文時に地味に役に立つ。
 語数の多い上級の辞典を買ってしまうと途端に出番が減るが、たまに手にとってはパラパラと捲り、まだ知らない単語を見付けて覚え込む、という単語帳代わりとして使うのがオススメだそうな。



6) 『ロシア語ハンドブック』

ロシア語ハンドブック
ロシア語ハンドブック藤沼 貴

東洋書店 2009-12
売り上げランキング : 91185


Amazonで詳しく見る by G-Tools

 便利なような、便利でないような。痒いところに手が届いたり、届かなかったりする一冊。
 露作文に役に立つのは確かだが、たまに間違っているので全面的に信用するのは危険。

 尚、『研究社和露辞典』と編纂者が同じである。 故に、この『ロシア語ハンドブック』での疑問を『研究社和露辞典』で解こうとしても、両方に同じ穴が空いており意味を成さないことがあるので注意。
 研究社の露和辞典の方は所有していないので、こちらにも同一の穴がある場合があるのかは知らない。
 帯には色々と書いてあるが、実際の所、解説は『研究社和露辞典』に掲載されているものとほぼ同一。既に『研究社和露辞典』を持っているのならば、それが露作文のために再編纂されていることに価値を見出した場合のみ購入するのがオススメ。

 写真ではソフトカバーのように見えるかもしれないが、実際はハードカバーかつ、かなりどっしりとしている。
 『岩波露和辞典』よりも新しく、そのためインターネット用語などはこちらの方が明るい。が、当然のことながら、もはや最新とは言えない。

 コンセプトはなかなか良いし、もう少しで化けそうに思うのだが、新版の予定はあるのだろうか。 



7) 『研究社和露辞典』

研究社 和露辞典 <改訂版>
研究社 和露辞典 <改訂版>藤沼 貴

研究社 2011-08-26
売り上げランキング : 274654


Amazonで詳しく見る by G-Tools

 和英辞典ですらどれにも満足できなかった私が、和露辞典で満足するものを見付けられるはずもなく。
 日本固有の概念についても出来うる限りロシア語にしようと努力している姿勢は素晴らしい。





 以上が、現時点の私のロシア語道具箱にいつも入っている辞書・テキスト類でした。
 全体的に言いたいことは、「新版は出ないんですか?」。
 これから一年経てばまた道具箱の中身は変わるのだろうか。一年後にまだこのブログが続いていれば、その時にまた報告したいと思います。



関連記事:
テキスト感想:原求作『ロシア語の体の用法』(水声社)
AnkiにNHKラジオ毎日ロシア語入門編「大人のためのロシア語」の単語を登録しました:Anki日記
単語力は力だよ その2:Ankiで暗記
テキスト感想:黒田龍之助『ロシア語のかたち《新版》』(白水社)

0 コメント:

コメントを投稿