声に出して読みづらいロシア人 (コーヒーと一冊) | |
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「ロシア人の名前って読みにくくない?」という誰もが一度は思うであろう疑問を真面目に(?)取り上げた一冊。
ただ現実の名前以外にもドフトエフスキー作品の登場人物まで俎上に上がっているのが、なんだかちょっと残念。
そしてロシア語ともう二年ほど仲良くしているせいか、別段読みにくいと思えなくなっている自分もなんだかちょっと残念。
とは言えど、ちょこちょこ現れるロシア語発音へのツッコミには、何とも親近感を抱いてしまう。私もよく"ь"の発音を突っ込まれます……。どうにも母音の"и"になってしまっているらしい。
日本語は母音にまみれた言葉だから、子音で止めろとか日本人には難易度高すぎると思うんですよォ!(逆ギレ)
個人的には、本書で俎上に上げられている「読みづらい」名前の中では、指揮者のロジェストヴェンスキーさんが一番好き。
今回のこの『声に出して読みづらいロシア人』は、「コーヒーと一冊」シリーズの一冊。
さっくりと簡単に読み終わることの出来る薄さで、一冊を読み終えるという達成感を味わって欲しいと願ってのシリーズだそうな。その達成感を思い出し、再び本好きになって欲しいとの思いが込められているとのこと。
そしてこのシリーズの本は、書店に少しでも利益が得られるようにと買い切り制になっており、つまりAmazonで買った私はゴメンナサイしないとならないような……。
凄まじく個人的な話をすると、本書での収穫はサルトゥイコフ=シチェドリンの『ある町の歴史』に邦訳が存在するという情報だったりする。
これ読みたかったんだよねー。原久作の著書で引用されていて、面白そうだったんだよねー。でもまさか日本語訳があるとは。
と言うわけで早速古本で買ってみたのが『ある市の歴史 』。市になっていた。
だがこれがびっくりするくらい読みにくくて、絶賛挫折中。まぁ1957年発行だしなー。それにこれって、ロシアの『古事記』的な存在である『原書年代記』のパロディっぽいし。パロられても、そもそも私は元を知らないからさ、分からないよ……。
さらにどうでもいい話を続けると、『ある市の歴史』に引用されている『原書年代記』の日本語版が除村吉太郎翻訳で、「この人ってソログープの『血の滴』第一部だけ訳した人じゃん。『原書年代記』の翻訳をこなしてるなんて、凄いビッグネームなんじゃ?」と思って検索したら、本当にビッグネームで吃驚した。
……なんでこの人、ソログープ訳したんだ?
ついでに検索して、シチェドリンの選集なるものが出版されていたのを知って、また吃驚した。
シチェドリンは苗字じゃないよ、苗字はサルトゥイコフ=シチェドリンだよと思わなくもないが、名前が長すぎるシチェドリンさんが悪いということで一つ。
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この選集の第六巻は『ある都市の歴史・堕落の子』となっているので、ここでも『ある町の歴史』が読めそうである。
こちらは1986年出版だそうなので、そこまで読みにくくはないだろう。図書館で探そうっと。
しかしこの選書に限らず、80年代って採算取れなさそうなニッチな本がポンポン出てるよなぁ。景気良かったんだなー。
個人的にはマイナーな翻訳は50年代と80年代に出てるイメージがある。50年代は戦争終わって一段落して、翻訳に邁進したのかな? この頃も景気良かったんだっけか。
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