アンソロジー『逃(百年文庫)』


逃 (百年文庫)
逃 (百年文庫)田村 泰次郎 ハーディ ゴーゴリ Thomas Hardy

ポプラ社 2011-08
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 百年文庫から2冊目。
 だが今回の収録作品はあまり面白くない。「男鹿」は好きなのだが、残り2作があんまり……。

 収録作品は以下。
 ・「男鹿」 田村泰次郎
 ・「幌馬車」 ゴーゴリ、横田瑞穂・訳
 ・ 「三人の見知らぬ客」 ハーディ、井出弘之・訳



 百年文庫84の本書に収録されているのは、どれも逃げる人びとの話。
 誰から、どこから、どうして、どうやって。それは三作品それぞれだ。
 
 ゴーゴリの「幌馬車」では、いかにもゴーゴリらしく些細な見栄がキッカケとなる。
 とある田舎町に、騎兵連隊が駐屯するようになった。騎兵だ! 歩兵なんかじゃない。
 元騎兵隊員であった町の地主ピファーゴル・ピファーゴロヴィッチ・チェルトクーツキイは胸を躍らす。
 彼らのおかげで町は活気づき、社交界も随分と華やかになった。そんな中、将軍が大規模な宴会を催した。当然チェルトクーツキイも呼ばれている。
 たわいも無い会話から、将軍が馬車を探していることを知ったチェルトクーツキイは、自分の所有する馬車の自慢を始めた。話の弾みから、将軍はその実物を見たくなり、だが一人で行くのも都合が悪い為、チェルトクーツキイは彼と自慢の馬車のために、自宅で士官の皆を招いた宴会を開くと宣言するのだが……。


 ゴーゴリらしい描写が光る作品ではあるのだが、正直あまり面白くない。
 これならもっと違う作品が読みたかったなぁ。
 他の収録作品に関してはコチラから。



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