今更ながら「Anki」という名前そのままの暗記支援ソフトの存在を知ったので、ここで紹介してみる次第。
学生時代に誰もが一度は作る単語帳。けれども作るのも手間ならば、それを使うのも手間。
もう既に覚えた単語を何度も繰り返す羽目に陥ったり、なかなか覚えられない単語にあまり出会うことがなくて何時までも覚えられなかったり。
Ankiはその手間を軽減し、人間の忘却曲線を解析したシステムを用いて、暗記の効率を上げることを目的に作られたソフト。
PC版(Win/Mac共に)、Android版は無料。iOS版は有料(この記事を書いた時点では2,500円)。
公式サイト&ダウンロードはコチラ(英語)から。
日本語での説明はコチラ。
iOS版は下のリンクから。左がiPhone用で右がiPad用。中身はたぶん同じ。
なお、iOS版が有料なのは、PC版を無料にするためだそうな。Android版が無料なのは、制作者が違うため。
「iOS版ちょっと高くない?」と思いつつ、でもやっぱりiPhoneで使いたかったので購入してみたところ、これが思いの外便利だった。
ちょっと工夫するだけでiOSに組み込まれている読み上げ機能を使うことが出来、手間なく「音声付き単語カード」が作れちゃうところが強み。
但し、単語帳作成などの基本作業はPC版を使う必要がある。そのためiOS版のみで完結させるのは(今のところ)不可能。
以下はiPhoneで実際に使ってみた感想。
まずはAnkiをPCにダウンロード。
単語帳を暗記するのをアシストしてくれるソフトがAnkiなので、暗記したい単語帳自体は自分で用意する必要がある。
Ankiには作った単語帳を共有する機能もあるので、既に先駆者の誰かが作った単語帳をダウンロードするのが一番簡単なのだが、ロシア語-日本語では良さげなのが見付からなかったので自分で作ることにする。
良いのがあったら誰か教えてください。
単語入力をする前に単語帳の設定(カードテンプレート)を作る。iPhoneの機能である読み上げをAnkiソフトでも使いたいので、その設定を行う。
やり方はコチラのページを参考にした。ただここに書いてあるような面倒な設定変更をしなくとも、単にカードテンプレートを弄るだけでちゃんと読み上げてくれた。
なお上記のページでは英語版の説明なのでspeech.langが"en-US"になっているが、今回はロシア語を読ませたいので"ru-RU"にした。
iPhoneが対応している言語ならばこの設定だけで音声ファイルをいちいち用意しなくとも、これから作る単語帳全ての単語を読み上げてくれる。超便利。
iPhoneは26だか30だかの言語に対応なので、つまりメジャーどころは全網羅しているハズ。
これで単語帳の外側は出来たので、あとはせっせと単語を入力して単語帳を作る。
最近真面目に『NHK新ロシア語入門』に手を付け始めたので、ここに登場する単語を出会う端から登録していくことにした。
表側にロシア単語、裏側にその日本語訳&品詞を表示するように設定して入力することに決めた。
と、ここまでをPCで行い、次にAnkiMobileを購入しiPhoneにダウンロード。PC版と同期させる。
作った単語帳が意図した通りに表示され、ちゃんと読み上げられていることを確認して準備は終わり。後はせっせと暗記するのみ。
実際の使用画面はこんな感じ。
これがホーム画面。作った単語帳は「NHKロシア語入門」だけなので一つのみが表示されている。
これが増えれば単語帳のタイトルがずらっと並ぶハズ。
この右側に表示されている緑色数字(今回は70)が今日復習するべきノルマの単語数で、下の青色が今日新しく覚えるべきノルマの単語数(今回は8)。
復習数はソフトがちゃんと暗記出来るようにプログラムしているのでこちらでは弄れないが、新しく覚える単語数は基本設定から変更出来る。
単語帳を選ぶと今日のノルマが勝手に発動。
表側。下に出ている三色の数字にも意味があるのだろうが、よく分からない。
表示されると同時に読み上げられる。単語を見て意味が思い出せたらクリック。思い出せなくともクリック。
すると裏側に切り替わる。
次は、下側に表示されている赤と灰色と緑の枠を、理解度に応じてクリックする。
左側ほど難しく、右側に行くほど簡単だったと伝えることになる。
もしもサッパリ分からなかった場合は、一番左側の赤色部分をクリック。するとこの場合では10m(10分後)に再登場する。
尚、この10分後は目安であって、10分も今日のノルマがない場合は予定を裏切って早く登場する。
とても簡単だった場合は一番右側の灰色をクリック。するとこの場合では4d(4日後)に再登場する。分レベルはかなりテキトーだが、日レベルの予定はキッチリ守られるようだ。
この難易度を伝える部分は、その単語が今までに何度登場し、今までにユーザーにどんな評価を受けて来たかによって変わる。何度も簡単だと言われていれば、当然ながら再登場の間は長くなる。
上の画面では難易度は四択だが、二択だったり三択の場合もある。
またその枠ごとに入っている次回に出会うまでの目安の時間(上の例では10m、2d、3d、4d)も場合によって変わる。
これは新しく登録したばかりの単語の例。
選択枠は三択。枠に表示されている次に出会うまでの期間が、その前の例よりも短い。
モチベーションを保つための、今までの学習状況をグラフ化する機能なども用意されており、なかなか面白いソフトだな、と言うのが個人的な感想。
iPhone版の2,500円分の元は取れそうだ。
そんな訳で一ヶ月ほど使ったらまたその後記を書きたいと思います。
ついでに今作っている単語帳が完成したら、公開する予定。需要があるかどうかは知らない。
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