蛇蔵&海野凪子『日本人の知らない日本語』


日本人の知らない日本語 (メディアファクトリーのコミックエッセイ)
日本人の知らない日本語 (メディアファクトリーのコミックエッセイ)蛇蔵 海野 凪子

KADOKAWA/メディアファクトリー 2009-02-17
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 一時大きな本屋で一番良い位置に置かれていたので、知名度がかなりあるのだと思っていた本シリーズ。だが、一応は日本語教師を目指しているらしいウチの妹が知らなかったので、改めて紹介してみようかなと。
 まぁ、単行本と文庫の違いすら知らない程に本屋と縁の無いのがウチの妹なので、知らないのは彼女だけというオチな気もするのだが。


 本書の主人公は凪子先生。外国人に日本語を教える教師だ。
 彼女が日々遭遇する、日本語を学ぶ外国人からの日本人には奇妙と思える疑問や、「言われてみれば確かにどうしてなんだ?」と思える不思議な言い回しなどを紹介しつつ、日本語教師らしく日本語の知識を楽しく教えてくれるエッセイタイプのコミックシリーズ。


 舞台となるのは、日本にある日本語学校。日本語で日本語を学ぶスタイルの学校である。
 登場する学生たちは多種多様で、一人だけロシア人のダイアナさん(ロシア人の名前にダイアナさんはレアなんじゃないか?)がいるので、ロシアネタを中心に拾ってみる次第。
 一応、ロシア語ブログですし。


 件のダイアナさん、美人で同じ学校の中国人学生趙さんに思われていたりするのだが、しかし何故日本語を学んでいるのかは不明。
 登場するロシアネタはあまりなく、日本語になった外国語としてイクラ、カンパが登場するくらい。  イクラ(икра)はよく聞く話で、本来の意味は「魚の卵一般」を指す。
 ロシアで日本で言うところのイクラを意味するのは「赤いイクラ」。ちなみに「黒いイクラ」はキャビア。
 赤、黒以外のカラーバリエーションは聞いたことがないが、実はあったりするんだろうか。緑とか黄色とか……あるのかな?

 加えてもう1つ、ロシア語から日本語化した言葉として登場していたのはカンパ(кампания)。
 ロシア語での意味は「運動、キャンペーン」だが、日本では「活動のための資金、特にそれを寄付すること」を意味することに。 ちなみに元は左翼運動で使われていた用語だったそうな。

 ロシアネタ以外で面白かったのは、漢字の中国日本間での意味の違い。
 鮪は日本ではマグロだが、大元の中国ではチョウザメを意味するそうな。同じように鮭は日本ではサケだが、中国ではフグ。
 何故こんな謎めいた事態になってしまったのかと言うと……その理由は『日本人の知らない日本語』でどうぞ。
 その他の「へー!」情報としては、敬語の指針が文化庁のホームページで公開されているという事実。そのサイトはコチラ(PDF)です。



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