安達紀子『ゲルギエフ カリスマ指揮者の軌跡(ユーラシア・ブックレット)』


ゲルギエフ―カリスマ指揮者の軌跡 (ユーラシア・ブックレット)
ゲルギエフ―カリスマ指揮者の軌跡 (ユーラシア・ブックレット)安達 紀子

東洋書店 2005-10
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 ロシアの産んだ現代の有名指揮者・ゲルギエフの半生を簡単に紹介した一冊。
 作者がいかにこの指揮者に入れ込んでいるかが分かる、熱の入りようでちょっと微笑ましい。



 ゲルギエフはオセアチア人の両親の元に産まれ、幼少期をモスクワで、そして少年時代を北オセアチアの首都ウラジカフカス(オルジョニキーゼ)で過ごす。
 音楽好きな母親と、早くに亡くなったが人望厚かった父親、オセアチアの壮大な自然に大きな影響を受けながら育つ。
 隣人の音楽家に才能を見出され音楽学校への入学試験を受けるように勧められるが、結果は不合格。それを聞いた知人の音楽家は激怒し、ゲルギエフはなんとか音楽学校に入ることが出来た。
 そこで彼は素晴らしいピアノ教師と出会い、元はサッカーや数学が得意だった少年は音楽に熱を上げるようになる。
 それから彼は着実に成功を重ね、今やマリインスキー劇場を率いる他に積極的に海外公演も行うロシア有数の指揮者である。



 指揮者としてのゲルギエフの思想についても、彼の発言を引用しつつ紹介していて、その人となりが垣間見える。
 作者の愛情とゲルギエフの姿勢を見ていると、私も彼の指揮する演奏を聴きたくなってきた。
 調べてみたら、今年日本での公演が予定されているしね。



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