タイトルだけで完結してしまう内容なのだけれども。
最近……でもないが3月に買った『ロシア文学鑑賞ハンドブック』が思いの外アタリだったので、ご紹介。
ロシア文学鑑賞ハンドブック | |
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書名だけだとロシア文学の歴史やら何やらを説明する内容に思えるが、実際は、ロシア文学をロシア語で読むための辞書的な一冊。
実際にロシア文学を読んでいると辞書にも文法書にも載っていない、文学特有の言い回し、そして、その使い分けについてなどの細かい部分に関してガッツリ扱っている。
その他にも、案外扱われることのない文法について一歩二歩突っ込んだ解説もなされている。
こちらは水声社の『ロシア文学の要点』に似ているが、著者が違うだけに光の当て方が異なる(『ロシア文学の要点』は『ロシア文学鑑賞ハンドブック』で参考書として挙げられている)。
ロシア文法の要点 | |
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ただ、筆者の日本語能力の方は『ロシア文法の要点』の方が上だ。『ロシア文学鑑賞ハンドブック』はやや日本語が甘く、ややまどろっこしい。
が、メジャーとは言いがたいロシア語に関して、ここまで細かい解説をしてくれる書物は希少なので、その点は十二分に評価したいところ。
難点は一つだけ。持ち運びに不便。
デカイし自立する気ゼロのクッタリ感で、持ち運ぶには向かない。まぁそんなホイホイ持ち運ぶものでもないだろうが。
後、場所を取る。
『ロシア文学鑑賞ハンドブック』の出来がとても良かったので、そこで紹介されていた『現代ロシア話しことば辞典』が超便利そうなので買ってみたのだが、今のところ使い出がない……。高かったのに。
ゾーシェンコみたいな特殊な単語が出てくる物語を読む時に威力を発揮してくれるのだろう、たぶん。読む予定ないけど。
ちなみにこの辞典の出版元は日ソ。Amazonのマーケットプレイスで日ソ本人(本社?)から買ったところ、サイトもあるからヨロシクね!との紙が入っていた。たぶんココのこと。
追加情報としては、『ロシア文学鑑賞ハンドブック』には姉妹編的な存在が2冊ある。『ロシア語鑑賞ハンドブック』と『ロシア古典鑑賞ハンドブック』。
どれも著者は同じ方。
関連記事:
・日本語で読めるゾーシチェンコ作品
・テキスト感想:原求作『ロシア語の体の用法』(水声社)
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