今年7月に発売された『ロシア幻想短編集』の評判が良かったのか、9月に早くもその第二弾が発売予定とのこと。正式名称は『名前のない街―ロシア幻想短編集Ⅱ』。
今回もAmazon他の一般の書店には出回らず、編者のサイトからのみ購入可能。
私が愛してやまないソログープさんは、今回収録されなかった。残念。
以下に前回同様アルトアーツさんのTwitterをペタペタ貼るよ。ちょっと重たいかもしれない。
弊社の新刊『名前のない街―ロシア幻想短編集Ⅱ』は9月発売予定です。— Alt-arts LLC (@Altarts) 2016年8月26日
一部で話題(?)の帝政ロシア時代パロデイ小説「シャーロック・ホームズの最期」の作者ステーチキンによる「吸血鬼」も所収(勿論、本邦初訳)。
ちなみにこの「吸血鬼」は近日中にキンドル版を先行発売する予定です。
この「吸血鬼」Kindle版は現在発売中。
Amazonにある粗筋は以下の通り。
裕福な中年男性ボクレフスキーは、何度結婚してもその若妻が貧血と衰弱によって死んでしまうことから、「青髭」ででもあるかのように噂されていた。仕事で彼と知り合った弁護士は、話題の男が全く正常で平凡な人間であることを知った。だがある晩、彼はこのボクレフスキーに誰も知らない秘密があることに気づく・・・・・。かなり面白そう。
個人のサイトから買うのはちょっと、と思われる方でも「吸血鬼」はAmazonから購入出来るので安心&便利。
話を戻して、『ロシア幻想短編集Ⅱ』の話。
『名前のない街―ロシア幻想短編集Ⅱ』の予約は16日以降開始。— Alt-arts LLC (@Altarts) 2016年9月10日
所収作品:A.K.トルストイ「ヴルダラクの家族」、S.ステーチキン「吸血鬼」、V.オドエフスキー「名前のない街」、N.グミリョーフ「ザラ王女」、A.クプリーン「乾杯」、E.ゾズーリャ「生ける家具」。ほとんどが本邦初訳。
「ヴルダラクの家族」は随分前に河出文庫から出たアンソロジー『ロシア怪談集』に収録された「吸血鬼の家族」と同一の作品とのこと。
個人的には「生ける家具」が気になる。
『ロシア幻想短編集Ⅱ』には当初、ツルゲーネフの「夢」も所収予定でしたが、かなり長い割に意外性に乏しいのと、二葉亭四迷の邦訳もあるために除外しました。— Alt-arts LLC (@Altarts) 2016年9月10日
クプリーンの「乾杯」はSF的設定の掌編です。ゾズーリャは邦訳があるのに今ではほとんど忘れられた作家。
ロシアSF短編集も企画中。
二葉亭四迷の翻訳があるってことは、もう随分と長いこと翻訳されていないってことのような。
ツルゲーネフは有名だけれど、作品数が多いから手が回っていない作品も多いのかも。
今回『ロシア幻想短編集Ⅱ』のタイトルにオドエフスキーの所収作品を冠したのは、この作品の完成度の高さと深さ、そしてアクチュアリティーのゆえです。— Alt-arts LLC (@Altarts) 2016年9月10日
「名前のない街」は短編ながら、ある意味でザミャーチンの『われら』やオーウェルの『1984年』などより現代的なアンチ・ユートピア小説です。
「名前のない街」はタイトルとしては平凡すぎるんじゃないかと思ってしまったのだが、こんな風に紹介されると読むのが実に楽しみになる。
と言う訳で、気になる方は別の生活ストア(Alt-Life Store)から予約しましょう。16日から予約開始予定。
関連記事:
・7月上旬にアルトアーツから『ロシア幻想短編集』が発売予定!
・アンソロジー『ロシア幻想短編集』
・アンソロジー『ロシア怪談集』
・アンソロジー『ロシアのクリスマス物語』
・『世界短篇文学全集12 ロシア文学20世紀』
いつも色々な情報ありがたいです。短編集も未読がたまるばかりです。
返信削除ところで先程、ヤフオクで盛林堂ミステリアス文庫の例の1冊が出品されていたのでご連絡。
お持ちでなければ是非。
僕は持っていますし、もちろん出品者でもありません(笑)。
南川さん、こんにちは。
削除コメントありがとうございます。
私も未読の積読タワーが日々成長するばかりで……。
盛林堂さんのはソログープのでしょうか。それならバッチリ持っております!
東大阪まで読みに出かけた後で復刊されて、ちょっと悲しかったのは秘密です。