まぁ、タイトル通りの話なのですが。
とは言えど、私の初・米原万里はこの『不実な美女か貞淑な醜女か』ではなく、『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』でした。
当時はまだロシア語を勉強することになろうとは夢にも思ってはおらず、この本を読んだのも単純に角川文庫が行っていたフェアに応募するのにもう一冊文庫を買う必要があった……なんてかなり酷い理由だった。
けれど実際のところ、理由なんてのはどうでもいい話であって、読んでみたらこれがとても面白かった。
そんな訳で、私の中に「米原万里」という名前が刻み込まれたのでした。
が、当時は全くロシア語に興味もなくて、「面白い文章を書く人だな」という認識でしかなかった。
その後、何かの折にロシア語の通訳としては第一線に居た人だという情報を得たりもしたものの、やはりまだロシア語に興味がなかったために「ふーん」以上の特別な感情を抱くこともなかった。
それが最近、このブログの右カラムに「Amazonで人気の『ロシア語』本」なるウィジェットを入れたところ、常に上位にこの米原万里さんの『不実な美女が貞淑な醜女か』がランクインし続けていることに気が付いた。
既に新しいとは言えない本なのに今でもランクインを続けているなんて、これはとても面白い本なのではないかと思い立ち、買ってみた。
面白かった。
面白すぎて、他の米原万里本を買いたくて本屋に駆け込んでしまったぐらいに、面白かった。
ただその本屋では目的の本が見付からず、代わりに見付けた米原万里翻訳の『わたしの外国語学習法』 を購入した。
こちらもかなり古い本だし、今となっては当て嵌まらないところもあるけれど、面白かった。
この『わたしの外国語学習法』は、まだ駆け出し通訳者だった米原万里が翻訳を引き受けた一冊。そのせいかこなれていない部分が見られるのも、また一興。
また米原万里が翻訳を通じて、この本の著者であるロンブ・カトーの姿勢を吸収したのが本人の弁と、そして何よりも『不実な美女か貞淑な醜女か』に現れているのが、実に興味深い。
読む順番としては、『わたしの外国語学習法』、『不実な美女か貞淑な醜女か』が相応しい。
が、そもそも米原万里に興味がなければ『わたしの外国語学習法』を読む理由もないように思えるので、そうなると先に『わたしの外国語学習法』を読む理由が生まれないという矛盾が……。
関連記事:
・『不実な美女か貞淑な醜女か』感想:★★★★★(「買って積んで、たまに読む。日記」)
・『わたしの外国語学習法』感想:★★★☆☆(「買って積んで、たまに読む。日記」)
・ふくろうの本の図説ロシア関連本
・クルジジャノフスキイ『未来の回想』
・テキスト感想:原求作『ロシア語の体の用法』(水声社)
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