シリーズ一作目の『盗まれた夢』と同じくらいの厚みと二段組みを覚悟して借りたのに、ちょっと薄くてそして一段組で文章量がぐっと減っていた。
これくらいの厚みが良いと思います。
モスクワ市内総務局犯罪捜査局、通称MUR、の殺人課所属の分析専門官アナスタシヤは、初めて自分の異母弟と対面していた。彼は民警である姉に、自分の愛人であるダーシャのことを相談しに来たのだ。
彼が彼女と共に訪れた友人の家が、次々と犯罪被害に遭っていると言うのだ。ダーシャが犯罪組織の手引き人なのではないかと彼は恐れていた。
初めて会う弟とはいえ、半分は血の繋がった姉であるアナスタシヤは、彼の話に興味と義務を覚え早速ダーシャの本質を見極めるべく行動に出た。それが彼女がかつて関わった事件と再び結び付くことも知らずに。
前作の『盗まれた夢』では、妻思いの犯罪者が目新しく思えたのだが、今作でもそんな犯罪者が御登場して、ちょっとウンザリ。
今作でもやっぱり犯人側の記述が多すぎるかなと思うのと共に、アナスタシヤが首を突っ込むキッカケとなる手掛かりが本当に斜め上。
犯人達もうっかり勘違いなんてしなければ、アナスタシヤが首を突っ込んでくることもなく、彼もまた完全犯罪を完遂できたんじゃないかなって。
というか、今作のラストでは彼女は充ち足りた顔をしているけど、でも目的は一人残ってるよね? それは良いのか?
そして何よりも、前作のラストで撃たれた彼は一体どうなったんですか! 本作を読めば分かると思ってたのに!! 三作目なの? 三作目を読めば分かるの!? 分かるんですよね!
ちょっと借りてくる!
ちなみに私的にはそんなに評価の高くないアナスタシヤシリーズなのだが、ロシア本国では結構な人気で、この『孤独な殺人者』を含む八作品が『カメンスカヤ』とのシリーズタイトルで各二話完結の映像作品になったそうな。
アナスタシヤの設定からして映像化は結構良さげだなぁ、と勝手に思った次第。DVD化はされてないのだろうか。
関連記事:
・アレクサンドラ・マリーニナ『盗まれた夢 モスクワ市警殺人課分析官アナスタシヤ〈1〉』
・アレクサンドラ・マリーニナ『死刑執行人 モスクワ市警殺人課分析官アナスタシヤ〈3〉』
・アナスタシヤ・カメンスカヤのシリーズって結局どうなってるの、ってことで調べてみた
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